親鸞聖人をたたえる哲学者・西田幾多郎
- 西田幾多郎 日本の哲学者・京都学派の創始者 (1870 – 1945)
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西田幾多郎は、日本を代表する哲学者といわれます。仏教にも詳しかった西田幾多郎は、親鸞聖人に対してどう思っているのでしょうか。
(写真はwikipediaより)
親鸞聖人のお言葉を深く味わうべきである
西田幾多郎は、圧倒的な西洋文明の影響下で、自分が生きることの意味を問い続け、若くして禅の世界に入りました。
やがて、4人の子供と妻、親友などに先立たれ、人生の悲哀を味わい尽くした晩年、浄土真宗の信仰への傾斜が深く、最後の論文を書き上げたのは、日本の敗戦が間近に迫った昭和20年でした。
個人的な人生の悲惨さだけでなく、国家の危機も深刻な問題である中で書き上げられた論文は、最後に次のような文章で結ばれています。
私は、これから浄土真宗的に国家というものを考え得るかと思う。
また、随筆には、このようなことを記しています。
吉水一門の奇禍に連(つらな)り北国の隅に流されながら、もし我(われ)配所に赴かずんば何によりてか辺鄙の群類を化せんといって、法を見て人を見なかった親鸞聖人の人格はすこぶる趣を異にしたものといわねばならぬ。
(西田幾多郎「愚禿親鸞」)
親鸞聖人が『歎異抄』においての善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をやという語、深く味わうべきである。
(西田幾多郎「絶対矛盾的自己同一」)
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