親鸞聖人をたたえるハイデッガー

マルティン・ハイデッガー ドイツの哲学者 (1889 – 1976)
ハイデッガー

20世紀最高の哲学者の1人といわれるハイデガーは、日本からの留学生を通して親鸞聖人の教えにふれ、一体何を考えたのでしょうか。
以下は晩年の日記です。
(写真はwikipediaより)

十年前にこんな素晴らしい親鸞聖人を知っていたら……

今日、英訳を通じてはじめて東洋の聖者親鸞の歎異鈔を読んだ。
弥陀の五劫思惟の願を案ずるにひとえに親鸞一人がためなりけり
(歎異抄後序)とは、何んと透徹した態度だろう。
もし十年前にこんな素晴らしい聖者が東洋にあったことを知ったら、自分はギリシャ・ラテン語の勉強もしなかった。
日本語を学び聖者の話を聞いて、世界中にひろめることを生きがいにしたであろう。


遅かった。

自分の側には日本の哲学者、思想家だという人が三十名近くも留学して弟子になった。
ほかのことではない。
思想・哲学の問題を随分話し合ってきたが、それらの接触を通じて、日本にこんな素晴らしい思想があろうなどという匂いすらなかった。
日本の人達は何をしているのだろう。
日本は戦いに敗けて、今後は文化国家として、世界文化に貢献するといっているが私をして云わしむれば、立派な建物も美術品もいらない。
なんにも要らないから聖人のみ教えの匂いのある人間になって欲しい。
商売、観光、政治家であっても日本人に触れたら何かそこに深い教えがあるという匂いのある人間になって欲しい。
そしたら世界中の人々が、この教えの存在を知り、フランス人はフランス語を、デンマーク人はデンマーク語を通じてそれぞれこの聖者のみ教えをわがものとするであろう。
そのとき世界の平和の問題に対する見通しがはじめてつく。
二十一世紀文明の基礎が置かれる。

(中外日報 昭和38年8月6日)

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